と、いうことで前日にガイドさんに予約を入れてもらって「クラウンホテル」のアカスリに行ったのでした。ガイドさん曰く、「ソウルで一番立派なお風呂」ということで値段も７００００ウォン（日本円で約７０００円）。完全に日本人向けのお店で、日本人値段だなーという感じ。
受け付けを済ませて、洋服を脱いでバスローブ姿になってお風呂場に入ると、おばちゃんが「こっち、こっち」と手招きをするので行ってみると、いきなりバスローブを脱がされ、代わりに麻袋の様なものを頭からズボッと
かぶされて、石を組んでつくったサウナの中に入れられました。
この石造りのサウナ、外見は日本のお城の石垣で円形のカマクラを作ったような感じ。天井はかなり高く3メートルくらいあって、でも入り口は1メートル四方くらいしかなかったです。なんでも韓国では「火汗蒸幕」といって
伝統的なサウナだそうです。熱源は朝一番にこの中で松の薪をくべて熱した熱気だそうです。（これは、帰ってからテレビで韓国特集をやっていて知りました）
中に入ってみると、熱気がボワッと襲ってくる感じ。そのままだと本当に肌が火傷しそうで息が出来ないので、麻袋を被り直して、肌が外気に触れないようにして目だけ出して、とりあえずその場に座りました。もう、動くのも暑いし、喋るのも暑い、いや熱い。ふと、壁の温度計を見るとなんと１００度を超えているではないですか！
「嘘だろー」と思いつつも、汗がはやくもだらだらと流れるのがなんだか気持ちが良くてぼーっと座ってました。
すると日本人の女性（多分同年輩）が数人入ってきました。みんな、口々に「熱い〜」とかいいながらなんとカメラを持ち込んで記念撮影をしています。…別にいいんだけど、小型の高性能のカメラっぽかったから熱でぶっ壊れないかちょっと心配になりました。
多分時間にしたら5分も経ってないのでしょうが、どうにもこうにも熱くて熱くてたまらなくなって気分が悪くならないうちに外に出ました。もともと普通のサウナでも長時間我慢が出来ない体質なのです。
たった5分でもたくさん汗が出たので、すっきりとシャワーで洗い流して今度は普通のお風呂に浸かりました。ここのシステムは、どうやら番号を呼ばれるとアカスリのお部屋でおばちゃんに体をこすってもらえるみたいです。「呼ばれるまでに、サウナとお風呂に交互に入って良く体をあっためておきなさい。そうするといっぱいアカが出るから」とおばちゃんに片言の日本語で言われたのでせっせといろんなお風呂に入りました。よもぎ風呂、普通のお風呂、朝鮮人参風呂（ちょっと臭い…）、それに普通の（そんなに熱くない）サウナ、蒸気のサウナ。…なにしろ、順番をまっているおねえさん達が沢山いたので、一時間くらいはお風呂に入ったり出たりで過ごしました。
そうこうしているうちに、やっと自分の番号が呼ばれました。言われるままにアカスリのお部屋に行って、言われるままに横になると、両手にアカスリタオル（ミトンみたいになっている）をはめたおばちゃんが体をごしごしこすってくれます。ごしごし…といってもそんなに強くないし、痛くない。普段自分がタオルでこするくらいの強さです。…にもかかわらず、かなりたくさんのアカがぼろぼろ出てきました。（お恥ずかしい話ですが…）
するとおばちゃんが私の腕にあったジンマシンを見つけて「ココ、大丈夫？痛くない？」と真顔で聞いてきました。私は「ジンマシンがあるのに無理して来ちゃって、おばちゃんに心配させちゃってすまなかったなあ」と思いつつも「大丈夫、痛くないよ」と笑って答えました。するとおばちゃんも安心したようにその部分はそっとこすってくれました。
そうこうしているうちにアカスリが終わって（余談ですが、皮膚の柔らかい二の腕の内側とか、脇とかの方がよく出るようです）、石鹸でごしごし全身を洗ってもらって、髪の毛もごしごしとかなり荒っぽく洗ってもらって一通り終了しました。「あー、気持ち良かった〜」とひとごこちついていたら、「今度はこっちね」と別のおばちゃんに手招きされました。今度はオイルマッサージで、アカスリでこそげ落とされた皮膚の油分を補うようです。
今度も順番待ちがあるのですが、今度は床暖房の入った大理石の床の上でおなかにタオルをのっけて寝そべって待ちます。大理石の床がほかほか暖かくて気持ちいいのですが、…若干熱いです。でも、その熱さがまた気持ち良くてほかほかしてたら今度はそんなに待たずに自分の番になりました。
言われるままに台に寝そべると、顔に何やら冷たいものがのせられました。…どうやら匂いからすると、「すりおろしたきゅうり」らしいです。しかも、キンキンに冷えてました。さらにその上からラップがかぶせられて（勿論、目と鼻の部分はあいている）、キュウリのパックというやつです。気持ちいいけど、キュウリが嫌いな人にはきっと拷問のような時間でしょう。その後、体の方にはベビーオイルが点々と落とされてその後全身マッサージです。あまりぐいぐいとツボを押すようなマッサージでなくて、どちらかというとオイルを身体に擦り込むような柔らかいマッサージです。
ちょっとくすぐったかったりもしたけど、それなりに気持ち良いです。その後、牛乳を転々と落とされて、今度は牛乳マッサージです。気持ちいいんだけど、顔にまでキュウリパックの上からオイルと牛乳を落とされた日には、匂いはもう「キュウリの牛乳あえ、ベビーオイル風味」です。…ちょっと気持ちがわるいか。
その後、シャワーで油分と牛乳とキュウリを落とされてアカスリのコース終了となったのですが、終わってみると肌が今までになくすべすべしているのです。しかも、クリームとかですべすべになったというのでなくて、自分自身の肌の力ですべすべになっているという感じで爽快でした。
と、いうわけで私にとっては韓国アカスリ、とーっても気持ちがよかったです。今度はジンマシンの無い時にいって心行くまでこすってもらいたいなあ。
＜おわり＞