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2004年08月10日

劇団ひまわり「空色勾玉」

劇団ひまわりの「空色勾玉」というミュージカルを見に行ってきました。
この芝居、チケットを取った当初から「うむむ、劇団ひまわり、劇団ひまわり…。もしかすると子供達の演技発表会みたいな感じなのかなあ」とちょっと引っ掛かりがあったのですが、何しろ原作が「空色勾玉(荻原規子)」で、音楽がZABADAK。この二人(二組)が組み合わさるとどんな世界が構築されるんだろうと、半分怖いもの見たさもあって観劇しました。
で、肝心のお芝居はというと。
これが凄かった。もちろん、キャストの半分以上が子供たちなので、拙いところや台詞を叫んじゃってるところもあるんだけど、ZABADAKのどこか懐かしくて物哀しい旋律を打楽器をベースにしてコーラスが重なっていくオープニングとか背筋がぞくぞくするほどに印象的でした。衣装も無国籍な感じで綺麗でした。ダンスも子供達だからってあなどれない感じで、非常に力強い異国風のダンスでした。主役の狭也(さや)ちゃんも可愛かった。ソロの歌もうまかったし。
お話の方は、児童書とはいえ300ページ以上もある大作をぎゅぎゅぎゅっと縮めてしまっているので、かなりはしょられている感じ。300ページ超が50ページくらいになってた印象です。原作の中で好きだったエピソードがかなりカットされちゃってるのは残念でした。でも、これ、原作を読まないで見に行った人は筋が判ったのかなあ、特に客席の中にちらほら見えた子供達とか。んで、原作を読んでも、更にそのベースとなる古事記とか日本書紀とか読んでると更にいろいろ楽しいんだな、これが。(あとは出雲や高千穂に行ったことがあるとか)
その他、原作の「小鹿」のエピソードは生で見ると結構空恐ろしいものがあるなあと思いました。可愛らしい歌のソロがあったけど、歌詞はおどろおどろしかったし。(←原作を読んでいない人を置いてけぼりにした感想)
こうやってお芝居で見てしまうと、今度はまた原作本を読みたくなるのですが、いい加減勾玉三部作(荻原規子作の「空色勾玉」「白鳥異伝」「薄紅天女」のこと)は新書か文庫にならないものでしょうか…。ずっと待っているのですけれども。

2004年08月10日 00:30

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