« ウズベキスタンの旅行記 | メイン | PSXを買った! »

2004年11月28日

演劇集団キャラメルボックス「SKIP」

好きな本(あるいは小説)が映像化(もしくは舞台化)されたら見にいくか?
…なかなか難しい問題です、私にとっては。そのお話に思い入れがあればあるほど、気に入っていればいるほど自分の中ではっきりとしたイメージができてしまうし、映像や舞台化、あるいはアニメ化によってそのイメージが覆されてしまうのはつらいものです。
例えば「赤毛のアン」。アニメ化、舞台化(劇団四季のミュージカル)、映画化となんだかんだ言ってあらゆる映像化を見てしまっているのですが、やはり原作に思い入れがある分どうしても「私の思う○○はアレじゃないんだよなあ」というもやもやとしたものは残ります。「長靴下のピッピ」しかり、「やかまし村の子どもたち」しかり、「丘の家のジェーン」しかり。
…という前置きで、演劇集団キャラメルボックスの「スキップ」というお芝居を見に行ってきました。いつもベースとなる本はあるにしろ割とオリジナルな脚本を演じることが多いキャラメルボックスの初めての原作物です。原作は私の好きな小説、北村薫氏の「スキップ」です。

(このあたりからネタばれします。まだ見ていない方、ご注意ください)

上の様な理由から、劇のオープニングでは割と身構えて観てしまったのですが(しかも、原作に非常に忠実な脚本のため、セリフの先が大体わかってしまう)、いつしか劇の世界に引き込まれていました。主人公を初めとする周りの人たちも割と自分が小説を読んでイメージしていた人物像に近く、ホッとしました。逆に原作に人物像がそれほど書き込まれていない主人公の両親の姿が役者さんの演技によって人物像が浮き上がって見えました。
自分が小説を読んでいたときには「高校生たちと主人公の青春」という面で捉えていたのですが、脚本家の捉え方では「親子の姿」の部分がピックアップされており、「ああ、そういう捉え方もあるのだ」と新鮮に感じました。

逆に原作を読んでいるならではの引っかかりも若干ありまして、例えば、「主人公の旦那はあんなに若くて格好良くないぞ」とか「生徒のエピソード、特に島原さんと曽我部さんの和解エピソードと柳井さんのバレー部退部エピソードは入れて欲しかった」とかいろいろあるのですが、でも、概ね面白かったです。少なくとも自分の中でのイメージが覆されて辛い思いというのはしないですみました。原作を忠実に大切に舞台化したなあ、と感じました。

しかし、8月の「空色勾玉 (荻原規子著)」といい、今度のスキップといい、何だか「気に入っている小説の舞台化」が続く今日この頃です。両方とも成功した幸せな舞台化だったと思うので、是非続編にあたる「白鳥異伝(荻原規子 著)」と「ターン(北村薫 著)」も舞台化して欲しいものです(笑)。
(解説:↑何故(笑)かというと両方ともかなり舞台化は難しいと思われる題材だからです。詳しくは読んでみてください。しかし、観てみたいぞ、舞台化。(やれるもんならやって欲しい))

2004年11月28日 00:06

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://place.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/46