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2005年の感想文

昨年に引き続き、2005年に観たお芝居を一覧にしてみました。
私なりにコメントと適当に☆をつけてみました(ちなみに満点は☆5つ)。
こうしてみてみるとやはり、特定の劇団や役者さんに片寄っています。

1月
劇団名(劇場) Team発砲B-zin(下北沢本多劇場)
タイトル ツカエナイト
痛快度 ☆☆☆
ひとこと ネタばれに関係ないところで言うと、武藤晃子さんがヒロインだったのが良かった。
ナイトというロボットの正体が「椅子(本物)」でいろいろな仕掛けでそれらしく見せているのが面白かった。千秋楽は演出のきださんがナイト役をやったらしいけれども、一体どうやって見せたのだろう…?

3月
劇団名(劇場) ラックシステム(下北沢スズナリ)
タイトル お願い
艶やか度 ☆☆☆☆
ひとこと 大正時代の遊郭のお話。お姐さん達の衣装が色っぽくって素敵だった。登場人物が多かったけれど、中心となる人物が決まっていたのでそれほど多いという印象が無かった。
開演前の「お願い」を連発した会場アナウンスは低姿勢ながらどこかくどいお願い文句はどこかで覚えがあるなあとか思っていたら、自分が仕事で使っている依頼文章にそっくりだった。そしてお土産にびっくり(※)。
※スポンサー「オカモト」「ユニチャーム」の提供でお送りしてました(笑)。

3月
劇団名(劇場) キャラメルボックス(サンシャイン劇場)
タイトル TRUTH
迫力度 ☆☆☆☆
ひとこと 初演をサンシャイン劇場の最前列で見てしまった私にとってはやや不満なお芝居。再演となるとどうしても知っているストーリーをなぞる形になるので初演を超えるインパクトをどこかで見せてほしかった。個人的には男優陣は再演が、女優陣は初演が良かった。「初音」がヒロインであるところの説得力が小川江利子さんに出せていなかったのが残念。殺陣はものすごい迫力でした。

5月
劇団名(劇場) G-up presents(新宿SPACE107)
タイトル Deep Forest
しみじみ度 ☆☆☆☆
ひとこと 新谷真弓さん目当てで見に行ったお芝居。新谷さんの強気な美少女が良かった。お話としても「ヘンゼルとグレーテル」を下敷きにしつつ、「魔女」の心情の内面を魅せてくれる良いお話でした。途中やや中だるみがあったので、もっと畳み掛けるような展開だと良かったかも。にしても魔女役の楠見薫さんが絶品だった。

5月
劇団名(劇場) パルコ・プロデュース(パルコ劇場)
タイトル 最悪な人生のためのガイドブック
隣の席のおばちゃんにムカついた度 ☆☆☆☆☆
ひとこと 小林隆さん目当てで観に行ったお芝居、ミュージカルでした。キムラ緑子さん演じるヒロインが不器用で生真面目で素敵でした。色々と有名な人が出ていたのですが、その中でも森山未来くんの恋人を演じていた堀内敬子さん、どこかで聞いたことのある歌声だなあと思っていたら、劇団四季の「美女と野獣」でヒロインのベルをやっていた人でした。…しかし、あれは確か観に行ったのは10年くらい前だったはず、にも関わらず未来くんの恋人のいかにも今の子っぽいお芝居がすっぽり決まっていて、女優さんって恐ろしい生き物だなあ、と思いました。

6月
劇団名(劇場) 演劇集団キャラメルボックス(シアターアプル)
タイトル 広くて素敵な宇宙じゃないか
しみじみ度 ☆☆☆☆
ひとこと これも知っているストーリーの再々演くらいか? メインとなる「クリコ」役が今回から實川貴美子さんがやっていたが、やはりこの役が当たり役だった石川寛美さんにはまだまだ追いついていないなあと思いました。大森さんのおばあちゃん役は流石の安心感でした。

6月
劇団名(劇場) 演劇集団キャラメルボックス(シアターアプル)
タイトル 僕のポケットは星でいっぱい
常連ならにやり度 ☆☆☆
ひとこと 新作だが今までのキャラメルボックスの色々な話をつなぎ合わせたなあ、という感じ。昔からのファンには楽しめたけど、やや展開に無理な感じがあったかな。子を思う母の心、母を思う子の想いで泣かせるあたりは流石にキャラメルだなあ、と思いました。

7月
劇団名(劇場) クリオネプロデュース(新宿全労済ホール)
タイトル パリアッチ
アバンギャル度 ☆☆☆
ひとこと シチュエーションコメディなのか不条理コメディなのか判りにくいお話だった。役者さんたちは皆芸達者な人たちが揃っていたのにその人たちの良さを生かしきれていなかったのが残念でした。

7月
劇団名(劇場) サニーサイドウォーカー(中野MOMO)
タイトル 極悪ファーザー
コメディ度 ☆☆☆☆
ひとこと 藤岡宏美さん目当てで観に行ったお芝居。やくざの父親と父を憎んでいる娘の和解、という割とよくある題材をそこに「漫才コンビの兄弟」という要素をプラスすることでうまくまとめていたと思う。前から2列目、しかも前の席が空席というベストポジションで見れたため、女優さんの生足って綺麗だなあ、などという不届きな感想をもちました。漫才師の弟君が常にテンション高めでいなければならない難しい役をうまく演じていました。

8月
劇団名(劇場) G2produce(紀伊国屋サザンシアター)
タイトル おじいちゃんの夏
夏のにおい度 ☆☆☆☆
ひとこと 武藤晃子さん目当てで観に行ったお芝居。孫(あゆみ)と祖母の二役を演じた武藤さんとおじいちゃん役の小須田康人さんが抜群に良かった。あと、あゆみの父母役の人も良かったけれどもそれ以外の役者さんとの間でちょっと力量の差というか、うーん。
舞台上で線香花火をやったり、カレーを食べたり、「夏」の演出が良かった(多分「匂い」も演出なんだろう)。

8月
劇団名(劇場) 帝国劇場
タイトル モーツァルト!
豪勢度 ☆☆☆☆
ひとこと モーツァルト役の中川さんを中心として、もう色んな舞台で主役級を演じている人たちが集まったすごく豪華な舞台でした。司教役の山口祐一郎さんのソロが迫力があって艶がある低音で素敵だった。パパや姉のモーツァルトを思う心情、そして才能に翻弄されるモーツァルトが旨に迫りました。いやしかし、公演期間の終盤に行ったのですがリピーターの人がいっぱいいたみたいでした(拍手のタイミングとか揃ってるんだもん)

8月
劇団名(劇場) 劇団K-Show(下落合TACCS1179)
タイトル きらきら星の下で
ハーフタイムで良かった度 ☆☆☆
ひとこと ハーフタイムシアター。1時間のお芝居だと内容がぎゅーっと凝縮されていてしかも中だるみが無くて良いですねえ。1軒のペンションに集まったお客さん達と従業員達のコメディ。しかし、コメディかと思っていたら終盤のクライマックスでシリアスな展開になってしまってやや、うーん…という感じ(しかも舞台上に人が多くて)。しかし、ペンションに逗留中のエドムラサキ先生がテンション高くて素敵でした。

9月
劇団名(劇場) 演劇集団キャラメルボックス(サンシャイン劇場)
タイトル スケッチブックボイジャー
痛快度 ☆☆☆☆
ひとこと 演劇集団キャラメルボックス「スケッチブックボイジャー」@サンシャイン劇場
ダブルキャストだったのでどっちを見るか悩んだが、オールドファンである私は結局西川&大森コンビ目当てでジェミニチームを観劇。大森さんの持つほのぼーのとした雰囲気が、アクションや展開の多い元気なお芝居の清涼剤になっていたと思う。しかし、キャラメルボックスはいつも見ているせいか、○○の役の人、ではなくて、役者の××さんがという目で見てしまう。それはそれで楽しいんだけど、初めてキャラメルを見た頃のように純粋にお芝居のみで見てみたい気もするな。

9月
劇団名(劇場) SHINKANSEN☆PRODUCE いのうえ歌舞伎(青山劇場)
タイトル 吉原御免状
艶やか度 ☆☆☆☆☆
ひとこと 今までに「いのうえ歌舞伎」というシリーズ(なのかな?)を劇場、ビデオを含めて何本か観てきたが、吉原という題材だけに今までのなかで一番大人向けのテイストの作品だと思った。落語でよく聞く「吉原」の風景が、花魁達の姿や町並みなど艶やかに舞台上に表現されていた。主役の堤氏はこの役柄(純朴青年)にはどうなんだろう、もうちょっと「やんちゃ」な役柄の方が良いなあと一瞬思いかけたが流石の存在感だった(しかも、ファンには嬉しい褌姿サービス付(笑))。古田新太さんの悪役にぞくぞくした。ちょっと照明、音響のバランスが気になる部分があった。

11月
劇団名(劇場) G-upプロデュース(SPACE107)
タイトル ゼロ番区
テーマのもつ重み度 ☆☆☆☆☆
ひとこと 重っ。…いやいや、感想を一文字で終わらせてはいけないので気を取り直して…「ゼロ番区」と呼ばれる死刑囚舎房を舞台にした、死刑囚達と看守達の話。やがて訪れる執行の日を待ちつつ恐れつつ「人間らしく生きる」ってなんだろうとしみじみ考えてしまいました。クライマックスでは客席からすすり泣く声があちこち聞こえてきていました。

12月
劇団名(劇場) 30-DELUX 4th Live (新宿シアターサンモール)
タイトル BIRDS
男の人ってこういうの好きなのかもね度 ☆☆☆☆
ひとこと 新宿を舞台にした秘密戦隊もののお芝居。テンポが良くて、アクションがバリバリで楽しめました。ただ、登場人物と登場人物が語るバックグラウンドの人物に死人が出すぎなので、こういう話はもっとライトに楽しみたいな、と思いました。あとは主役の人たちのセリフやそのためのシチュエーションが格好良すぎる程にお膳立てされていて、「主人公(あるいは主役級の役者)にこういうセリフを言わせたいがために作られたお芝居」なのかなと。

<まとめ>
トータルで16本、今年は同じ芝居を2回は観に行っていなかったのでそのままの数字です。結構見たと思います。

2005年の心残りはTeam発砲B-zinのきだつよしさんが作・演出をした「幕末蛮風」と三谷幸喜さん作の「12人の優しい日本人」のチケット争奪戦に敗れて見にいけなかったことです。どちらも人気のある舞台で劇評なども好評のようだったので残念でした(しかし、チケットが取れていたら、ジャニーズの嵐の大野君の舞台を見に新大久保のグローブ座に行っていたのでしょうか!?)

もう一つの心残りはキャラメルボックスの女優、小川江利子さんが退団してしまったこと。柔らかな印象でよく響く声を持っている素敵な女優さんだったのに残念です(「風を継ぐ者」の初音役では期待していただけに酷評してしまいましたが)

今回は前年の反省を生かしてメモを取っていたので編集は比較的楽でした。その場の感想の勢いでブログにばーっと書いてしまうよりも、こうやってメモから文章を作っていくと、自分の中でバランスが取れたのでよかったです。

超個人的に色々賞など。
主演男優賞:堤真一(松永誠一郎(「吉原御免状」)
主演女優賞:楠見薫(魔女「Deep Forest」)、武藤晃子(あゆみ「おじいちゃんの夏」)
助演男優賞:古田新太(柳生義仙(「吉原御免状」)
助演女優賞:伊織直加(ミチル「最悪な人生のためのガイドブック」)
音楽賞:「吉原御免状」
舞台装置賞:「モーツァルト!」
衣装賞:「お願い」「吉原御免状」